困りごとに気づく
このページでわかること
- 市民活動は、毎日の暮らしの中の「あれ?」「なんでだろう?」に気づくところから始まる
- 困りごとは「自分の困りごと」→「みんなの困りごと」→「地域の課題」と広がっていく
- 気づくためのコツは「歩いてみる」「聞いてみる」「数字を見てみる」「当たり前を疑ってみる」
- 自分の思いこみかもしれないので、実際に聞いて確かめることが大事
このページでは、活動の出発点になる「困りごとに気づく」ことについて説明するよ。
活動は「気づき」から始まる
3章で、市民活動は「市民が先に気づいて動き出す」ところから始まる、と話したよね。この4章では、活動がどうやって生まれるのかを、順番に見ていくよ。
最初の一歩は、困りごとに気づくことなんだ。
困りごとって、どうやって見つけるの?
特別なことはしなくていいんだ。毎日の暮らしの中の「あれ?」「なんでだろう?」が、出発点になることが多いよ。
ひなたちゃんは、ふだんの生活で困っていることってある?
うーん……。部活がない日に、放課後に友だちと勉強できる場所がないことかな。
図書館は話しちゃダメだし、ファミレスはお金がかかるし、公園は寒いし。
それは立派な「気づき」だよ。この4章では、ひなたちゃんのその困りごとを例にして考えていこう。
「自分だけの問題」?
でも、それってわたしだけの問題じゃない? わがままっぽいし……。
そう思うのは自然なことだよ。でも、困りごとが「自分だけの問題」かどうかは、まわりに聞いてみないとわからないんだ。
試しに、クラスの友だちに聞いてみたらどうなるかな?
……あ、きっと何人かは「わかる!」って言うと思う。
そうしたら、それはもう「ひなたちゃんだけの問題」じゃないよね。
困りごとが「地域の課題」になるまで
困りごとは、だいたいこんなふうに広がっていくんだ。
| 段階 | どんな状態? | ひなたちゃんの例 |
|---|---|---|
| 1. 自分の困りごと | 自分が困っている | 放課後に勉強できる場所がない |
| 2. みんなの困りごと | 同じように困っている人がいる | クラスの何人かも同じことを思っている |
| 3. 地域の課題 | 地域の仕組みや環境に原因がある | この町には、中高生が放課後にお金をかけずにいられる場所がほとんどない |
2と3は何が違うの?
3は、原因が一人ひとりの努力じゃなく、地域の仕組みや環境にあるということなんだ。
「勉強する場所を自分で探せばいい」と言われればそれまでだけど、町を見わたしてみると、中高生が安心していられる場所がそもそも少ない。そうなると、一人ひとりががんばるだけでは解決しないよね。
ここまで来ると、「みんなで取り組む意味がある困りごと」、つまり地域の課題になるんだ。
気づくためのコツ
ほかにも気づく方法ってあるの?
あるよ。まちづくりでよく使われる方法を4つ紹介するね。
- 歩いてみる:いつもの道を、ゆっくり歩いてみる。「この坂、お年寄りにはきついな」「ここ、夜は暗いな」と気づくことがある
- 聞いてみる:家族、友だち、近所の人に「困っていることある?」と聞いてみる
- 数字を見てみる:町のお年寄りの数、子どもの数、空き家の数などを調べてみる
- 「当たり前」を疑ってみる:「昔からこうだから」と思っていることを、「本当にこのままでいいのかな?」と考えてみる
1つ目の「歩いてみる」は「まち歩き」と言って、まちづくりのワークショップでもよくやるんだ。いつもは見過ごしているものが、意外とたくさん見えてくるよ。
気をつけたいこと
1つだけ気をつけてほしいことがあるんだ。
「これは困っているはずだ」というのが、自分の思いこみかもしれない、ということだよ。
どういうこと?
たとえば、ぼくが「お年寄りはスマホが使えなくて困っているはずだ」と思いこんで、スマホ教室を開いたとする。でも実際は、その地域のお年寄りはスマホを使いこなしていて、本当に困っていたのは「病院までの足がないこと」だった、なんてこともあるんだ。
だから「聞いてみる」が大事なんだね。
そういうこと。そして、困りごとを本当に知っているのは誰か、というのが、次のページのテーマだよ。
ポイント
- 市民活動は、毎日の暮らしの中の「あれ?」「なんでだろう?」に気づくところから始まる
- 困りごとは「自分の困りごと」→「みんなの困りごと」→「地域の課題」と広がっていく
- 気づくためのコツは「歩いてみる」「聞いてみる」「数字を見てみる」「当たり前を疑ってみる」
- 自分の思いこみかもしれないので、実際に聞いて確かめることが大事