行政との協働
このページでわかること
- 協働とは、立場のちがう人たちが、同じ目的に向かって、対等な立場で一緒に取り組むこと
- 行政との協働には、補助、委託、共催、後援、場所の提供、提案型の協働などの形がある
- 委託などで市民の団体が「下請け」のようになると、現場の声や自分たちで動く力が活かせなくなる
- 目的と役割を一緒に決め、現場の声を伝え、提案し、ふり返ることで対等な協働になる
このページでは、行政との「協働」について説明するよ。
協働とは?
協働って、3章でも出てきたよね。
うん。公・共・私の重なりのところで出てきたね。協働は、立場のちがう人たちが、同じ目的に向かって、対等な立場で一緒に取り組むことだよ。
このページでは、特に行政(市役所など)と市民の協働を考えてみよう。
協働の形
行政と市民の協働には、いろんな形があるんだ。
| 形 | どういうこと? |
|---|---|
| 補助 | 市民の活動に、行政がお金を出して応援する |
| 委託 | 行政の仕事を、市民の団体に頼む |
| 共催 | 行政と市民の団体が、一緒にイベントなどを主催する |
| 後援 | 行政が「この活動を応援しています」と名前を出す |
| 情報提供・場所の提供 | 行政が持っている情報や、施設を使えるようにする |
| 提案型の協働 | 市民の団体が「こんなことを一緒にやりませんか」と行政に提案する |
「後援」って、名前を出すだけなの?
そうだよ。でも、「市が後援しています」と書いてあると、学校でチラシを配らせてもらえたり、参加する人が安心したりする。お金は出ないけど、信頼の面で大きな応援になるんだ。
対等であることが大事
協働でいちばん大事なのは、対等であることなんだ。
行政は大きなお金や仕組みを持っている。市民の団体は、現場の声や、すばやく動ける力を持っている。持っているものはちがうけど、どちらが上でも下でもないんだよ。
「下請け」になってしまう問題
対等じゃなくなることもあるの?
あるんだ。特に「委託」でよく起きるんだけど、市民の団体が行政の下請けのようになってしまうことがあるんだよ。
- 行政が決めたやり方を、言われたとおりにやるだけになる
- 必要な費用より安い金額で、仕事を引き受けてしまう
- 現場で気づいたことがあっても、意見を言いにくい
5章の「ひとつのお金に頼らない」で、委託だけにたよると活動の中身が相手に合わせたものになる、と話したよね。下請けになってしまうと、市民の団体の一番の強みである「現場の声」や「自分たちで動く力」が活かせなくなってしまうんだ。
対等な協働にするために
どうすれば対等になれるの?
行政と市民の団体が、それぞれこんなことを意識するといいよ。
市民の団体ができること
- 自分たちのミッションを持って、「何のために協働するのか」をはっきりさせる
- 現場で見えていることを、データや声で伝える
- 「お願い」だけでなく、「こうしたらどうですか」と提案する
- 行政の事情(公平さ、予算の時期、手続き)を理解しておく
行政ができること
- 目的やゴールを、最初に一緒に話し合って決める
- 役割分担と、必要な費用をきちんと話し合う
- 現場からの意見を取り入れる
- 終わったあとに、一緒にふり返る
自習会の場合
自習会がしっかり続いて実績ができたら、こんなことも考えられるね。
市役所の担当の人に、「この1年で、のべ150人の中高生が来ました。『放課後が楽しみになった』という声もあります。市内の他の地域にも広げたいので、一緒にやりませんか」と提案する。
5章の「成果を伝える」が、ここで役に立つんだね!
その通り。実績と成果があるから、対等なパートナーとして話ができるんだ。
ポイント
- 協働とは、立場のちがう人たちが、同じ目的に向かって、対等な立場で一緒に取り組むこと
- 行政との協働には、補助、委託、共催、後援、場所の提供、提案型の協働などの形がある
- 委託などで市民の団体が「下請け」のようになると、現場の声や自分たちで動く力が活かせなくなる
- 目的と役割を一緒に決め、現場の声を伝え、提案し、ふり返ることで対等な協働になる