公益とは?
このページでわかること
- 公益とは「みんなのため」になることで、メンバー以外の不特定の人も得をするのが特徴
- 「誰のためか」で、私益(自分)・共益(仲間)・公益(みんな)に分けられる
- まちづくりの活動は、共益と公益の間にあることが多い
- 公益の「みんな」には、声を上げにくい人、少数の人、まだここにいない人も含まれる
- 何が公益かは、役所だけでなく住民やNPOも考えて動いていい
このページでは「公益」について説明するよ。
公益とは?
公益ってなに?
ひとことで言うと、「みんなのため」になることだよ。
まちづくりの活動は、たいてい「みんなのため」にやっているよね。公園の掃除も、子ども食堂も、防災訓練も。この「みんなのため」を、少しかたい言葉で「公益」と言うんだ。
「みんなのため」なら、なんでも公益なの?
そこが、このページで考えたいところなんだ。「誰のためか」で分けると、わかりやすくなるよ。
私益・共益・公益
「誰のためになるか」で分けると、3つに分けられるんだ。
| 呼び方 | 誰のため? | 例 |
|---|---|---|
| 私益 | 自分や家族のため | 自分の家の前を掃除する |
| 共益 | 仲間(メンバー)のため | テニスクラブのメンバーで、自分たちのコートを整備する |
| 公益 | メンバー以外も含めた、不特定の人のため | 誰でも使える公園を掃除する |
共益と公益の違いがむずかしい……。
ポイントは、メンバーじゃない人も得をするかどうかだよ。
テニスクラブのコートはメンバーしか使えないから、整備して得をするのはメンバーだけ。でも公園は誰でも使えるから、掃除をすると、近所の人も、通りがかりの人も、遠くから遊びに来た子どもも、みんな得をするよね。
なるほど、「知らない人まで得をする」のが公益なんだ。
そういうこと。
ちなみに、共益が悪いというわけじゃないよ。仲間で助け合うことも大事だし、共益の活動がいつの間にか公益に広がっていくこともあるんだ。
自治会の活動はどっち?
じゃあ、2章で出てきた自治会の活動は? 会費を払った人のための活動だから共益?
いいところに気づいたね。実は、自治会の活動は共益と公益の両方の性質を持っているんだ。
会費を払っているメンバーのための活動という意味では共益だけど、自治会が管理している防犯灯は、自治会に入っていない人の夜道も照らしているよね。お祭りには誰でも参加できるし、災害のときの助け合いも、メンバーかどうかで分けたりしない。
このように、まちづくりの活動は、共益と公益の間にあることが多いんだ。「どっちか」ではっきり分けるより、どれくらい「みんな」に開かれているかで考えるといいよ。
「みんな」って誰?
公益の「みんな」って、町に住んでいる人全員のこと?
今住んでいる人はもちろんだけど、それだけじゃないんだ。まちづくりで「みんな」を考えるときは、こんな人たちのことも忘れないようにしたいね。
- 声を上げにくい人:困っていても「助けて」と言えない人、言葉や制度がわからない人
- 少数の人:障害のある人、外国から来た人など、数が少ない立場の人
- まだここにいない人:これから生まれる子ども、これから引っ越してくる人
まだいない人のことまで考えるの?
そうだよ。1章で、まちづくりの目的のひとつに「次の世代へ」があったよね。今の人だけがよければいい、というまちづくりでは、続いていかないんだ。
多数決なら公益?
「みんなのため」なら、多数決で決めればいいんじゃないの?
多数決は大事な決め方だけど、それだけだと困ることがあるんだ。
たとえば、町の100人のうち97人が「バスなんていらない、みんな車で移動するから」と言ったとするね。多数決ならバスはなくなる。でも、車を運転できない3人のお年寄りは、病院にも買い物にも行けなくなってしまう。
3人にとっては、すごく困ることだね。
そうなんだ。人数が少なくても、その人にとっては暮らしていけるかどうかの問題かもしれない。
だから、公益を考えるときは「多い人が得をするか」だけじゃなくて、「誰かが取り残されていないか」も大事にする必要があるんだよ。
公益は誰が決めるの?
じゃあ、何が公益かは誰が決めるの? 市役所?
昔は「公益=役所が決めて、役所がやること」と考えられていた時代もあったんだ。
でも今は、住民やNPOも、自分たちで「これはみんなのためになる」と考えて動いていい、という考え方が広がっているよ。子ども食堂も、最初は役所が決めたんじゃなくて、「この子たちをほうっておけない」と思った市民が始めたものなんだ。
「公益は役所だけのものじゃない」というのが、この3章のテーマだよ。次のページでは、それを「公・共・私」という3つの領域で整理してみよう。
ポイント
- 公益とは「みんなのため」になることで、メンバー以外の不特定の人も得をするのが特徴
- 「誰のためか」で、私益(自分)・共益(仲間)・公益(みんな)に分けられる
- まちづくりの活動は、共益と公益の間にあることが多い
- 公益の「みんな」には、声を上げにくい人、少数の人、まだここにいない人も含まれる
- 何が公益かは、役所だけでなく住民やNPOも考えて動いていい