信頼のつながり(ソーシャルキャピタル)
このページでわかること
- 活動が終わっても、人と人の信頼のつながりは、まちに残り続ける
- こうしたつながりを「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」と呼び、信頼・おたがいさま・ネットワークの3つで説明される
- つながりには、似た人どうしの「結びつき型」と、ちがう立場の人をつなぐ「橋渡し型」がある
- 阪神・淡路大震災では、救助隊に助けられた人は約2%で、多くは自分や家族、近所の人によって助け出された
このページから8章。活動のあとに、まちに残るものについて説明するよ。
活動が終わっても残るもの
前のページで、活動が終わっても残るものがあるって言ってたよね。それってなに?
人と人の、信頼のつながりだよ。
自習会でいうと、こんなことが残るよね。
- 自習会で知り合った友だちどうしの関係
- 自習会を通じて顔見知りになった、自治会の人やお店の人
- 「あのお兄さんに相談すれば大丈夫」という、地域の大人への信頼
- 「困ったら、みんなで何とかできる」という経験
自習会がなくなっても、こういうつながりは、まちの中に残り続けるんだ。
ソーシャルキャピタルとは?
こういう「人と人の信頼のつながり」のことを、ソーシャルキャピタルと呼ぶことがあるよ。日本語では「社会関係資本」と訳されるんだ。
「資本」って、お金のこと?
「資本」は、何かを生み出すもとになる「財産」のことだよ。お金や建物だけじゃなく、人と人の信頼も、まちにとっての財産だ、という考え方なんだ。
ソーシャルキャピタルは、大きく3つの要素で説明されることが多いよ。
| 要素 | どういうこと? |
|---|---|
| 信頼 | 「この人なら大丈夫」と思える関係がある |
| おたがいさま | 助けてもらったら、今度は誰かを助ける、という気持ちがある |
| ネットワーク | 人と人、団体と団体がつながっている |
つながりには2種類ある
つながりには、2つのタイプがあるんだ。
- 結びつき型:家族、仲の良い友だち、同じ自治会の人など、似た人どうしの強いつながり
- 橋渡し型:自治会とNPO、中高生と商店街の人など、ちがう立場の人どうしをつなぐつながり
どっちが大事なの?
どっちも大事だよ。結びつき型は、困ったときに助け合える安心をくれる。橋渡し型は、新しい情報やアイデア、ちがう力を運んでくれる。
7章で話した「閉じたグループ」は、結びつき型だけが強くなりすぎた状態とも言えるね。まちづくりの活動は、特に橋渡し型のつながりをたくさん生み出してくれるんだ。
つながりが命を守ることも
信頼のつながりの大切さがよくわかる例があるんだ。
1995年の阪神・淡路大震災では、建物の下敷きになったり、閉じこめられたりした人がたくさんいた。その人たちが誰に助け出されたかを調べた調査があるんだよ。
| 誰に助けられた? | 割合 |
|---|---|
| 自分で脱出 | 約35% |
| 家族 | 約32% |
| 友人・近所の人 | 約28% |
| 通りがかりの人 | 約3% |
| 救助隊 | 約2% |
救助隊に助けられた人って、こんなに少ないの!?
大きな災害のときは、救助隊の数が足りなくて、すぐには来られないんだ。だから、近所の人どうしの助け合いがとても大事になる。
そして、「あの家にはおばあちゃんが一人で住んでいる」と知っているのは、ふだんからつながりのある近所の人なんだよ。
ふだんのつながりが、いざというときに役に立つんだね。
活動はつながりを育てる
まちづくりの活動は、それぞれの目的のためにやっているけど、その途中でたくさんのつながりを育てているんだ。
子ども食堂で知り合った親どうし。お祭りの準備で話すようになったおじいさんと高校生。清掃活動で顔見知りになった、となりの町の人。
一つひとつの活動は、いつか終わるかもしれない。でも、育ったつながりは、まちの財産として残り続ける。それが、まちづくりの活動が「無駄にならない」理由なんだ。
ポイント
- 活動が終わっても、人と人の信頼のつながりは、まちに残り続ける
- こうしたつながりを「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」と呼び、信頼・おたがいさま・ネットワークの3つで説明される
- つながりには、似た人どうしの「結びつき型」と、ちがう立場の人をつなぐ「橋渡し型」がある
- 阪神・淡路大震災では、救助隊に助けられた人は約2%で、多くは自分や家族、近所の人によって助け出された