ひとつのお金に頼らない
このページでわかること
- 助成金、委託、大口の寄付など、ひとつのお金にたよりきると、それがなくなったときに活動が止まってしまう
- 委託だけにたよると、頼まれた仕事が中心になり、ミッションからずれることがある
- お金の入り口をいくつかに分けておくと、ひとつがなくなっても活動は止まらない
- 助成金は「スタートダッシュのお金」と考え、終わったあとのことを先に考えておく
- 地域の中で応援のお金がめぐる形が、いちばん続きやすい
このページでは「ひとつのお金に頼らない」ことについて説明するよ。
助成金が終わったら……
前のページで、助成金はまとまった金額がもらえるけど、期間が決まっている、と話したよね。ここで、こんな場面を想像してみよう。
自習会が、ある財団から「3年間、毎年30万円」の助成金をもらえることになった。
そのお金で、部屋を週3回借りて、大学生のアルバイトの先生も呼んだ。参加者もどんどん増えた。
でも、3年たって助成金が終わったとたん……。
部屋代も、先生のお金も払えなくなっちゃう!
そう。助成金が終わると同時に、活動も一気に小さくなったり、止まってしまったりする。これは、実際によくあることなんだ。
ひとつのお金に頼る危うさ
助成金だけじゃなく、どのお金でも、ひとつにたよりきると危ないんだ。
| たよりきっているお金 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 助成金・補助金 | 期間が終わると、急にお金がなくなる |
| 委託 | 頼んだ側の都合で、仕事がなくなることがある。やり方も相手に合わせることになる |
| 大口の寄付 | その人の気持ちや事情が変わると、寄付が止まる |
| 会費 | 参加者が減ると、お金も減る |
委託だと、やり方も合わせないといけないの?
そうなんだ。委託は「頼まれた仕事」だから、頼んだ側の決めたやり方や期限を守る必要がある。
それだけにたよっていると、いつの間にか自分たちのミッションより、頼まれた仕事をこなすことが中心になってしまうことがあるんだ。前に出てきた「目的と手段が入れ替わる問題」だね。行政との関係は、6章の「行政との協働」でも考えるよ。
お金の入り口を分ける
じゃあ、どうすればいいの?
お金の入り口を、いくつかに分けておくといいんだ。たとえば、自習会のお金がこんなふうに入ってくるとするね。
- 参加者の会費(1回50円)
- 近所の人やお店からの寄付
- 市の補助金
- 年に1回のイベントで売るお菓子の売り上げ
こうしておけば、どれかひとつがなくなっても、活動がすぐに止まることはないよね。
卵を1つのかごに入れないってやつだ!
よく知ってるね。「卵を1つのかごに盛るな」ということわざと同じ考え方だよ。かごを落としても、全部割れないようにしておくんだ。
助成金は「スタートダッシュ」に使う
助成金や補助金が悪いわけじゃないよ。うまく使えば、活動を大きく前に進めてくれるんだ。
大事なのは、助成金が終わったあとのことを、もらう前から考えておくこと。
- 助成金の期間中に、寄付をしてくれる人を増やしておく
- 助成金で買った机や道具は、終わったあとも使い続けられる
- 助成金がなくても回る規模を、あらかじめ考えておく
助成金は「ずっと続くお金」じゃなくて、「活動を育てるためのスタートダッシュのお金」と考えるといいよ。
地域の中でお金がめぐる
最後にもうひとつ。いちばん続きやすいのは、地域の中で応援のお金がめぐる形なんだ。
- 自習会に来ている子の家族が、少しずつ寄付をしてくれる
- 近所のパン屋さんが、売れ残りのパンを届けてくれる
- 自習会を卒業した子が、大人になってから寄付をしてくれる
地域のみんなで支えてるって感じがするね。
そうなんだ。地域の人が「自分たちの活動」だと思ってくれると、お金だけじゃなく、人も、信頼も集まってくる。それが次の柱「信頼」の話につながっていくよ。
ポイント
- 助成金、委託、大口の寄付など、ひとつのお金にたよりきると、それがなくなったときに活動が止まってしまう
- 委託だけにたよると、頼まれた仕事が中心になり、ミッションからずれることがある
- お金の入り口をいくつかに分けておくと、ひとつがなくなっても活動は止まらない
- 助成金は「スタートダッシュのお金」と考え、終わったあとのことを先に考えておく
- 地域の中で応援のお金がめぐる形が、いちばん続きやすい