わかりやすいまちづくり入門

5章 活動はどうすれば続く?

ひとつのお金に頼らない

このページでわかること

  • 助成金、委託、大口の寄付など、ひとつのお金にたよりきると、それがなくなったときに活動が止まってしまう
  • 委託だけにたよると、頼まれた仕事が中心になり、ミッションからずれることがある
  • お金の入り口をいくつかに分けておくと、ひとつがなくなっても活動は止まらない
  • 助成金は「スタートダッシュのお金」と考え、終わったあとのことを先に考えておく
  • 地域の中で応援のお金がめぐる形が、いちばん続きやすい
ひなた

このページでは「ひとつのお金に頼らない」ことについて説明するよ。

助成金が終わったら……

さとる

前のページで、助成金はまとまった金額がもらえるけど、期間が決まっている、と話したよね。ここで、こんな場面を想像してみよう。

さとる

自習会が、ある財団から「3年間、毎年30万円」の助成金をもらえることになった。

そのお金で、部屋を週3回借りて、大学生のアルバイトの先生も呼んだ。参加者もどんどん増えた。

でも、3年たって助成金が終わったとたん……。

ひなた

部屋代も、先生のお金も払えなくなっちゃう!

さとる

そう。助成金が終わると同時に、活動も一気に小さくなったり、止まってしまったりする。これは、実際によくあることなんだ。

ひとつのお金に頼る危うさ

さとる

助成金だけじゃなく、どのお金でも、ひとつにたよりきると危ないんだ。

たよりきっているお金起きやすいこと
助成金・補助金期間が終わると、急にお金がなくなる
委託頼んだ側の都合で、仕事がなくなることがある。やり方も相手に合わせることになる
大口の寄付その人の気持ちや事情が変わると、寄付が止まる
会費参加者が減ると、お金も減る
ひなた

委託だと、やり方も合わせないといけないの?

さとる

そうなんだ。委託は「頼まれた仕事」だから、頼んだ側の決めたやり方や期限を守る必要がある。

それだけにたよっていると、いつの間にか自分たちのミッションより、頼まれた仕事をこなすことが中心になってしまうことがあるんだ。前に出てきた「目的と手段が入れ替わる問題」だね。行政との関係は、6章の「行政との協働」でも考えるよ。

お金の入り口を分ける

ひなた

じゃあ、どうすればいいの?

さとる

お金の入り口を、いくつかに分けておくといいんだ。たとえば、自習会のお金がこんなふうに入ってくるとするね。

  • 参加者の会費(1回50円)
  • 近所の人やお店からの寄付
  • 市の補助金
  • 年に1回のイベントで売るお菓子の売り上げ
さとる

こうしておけば、どれかひとつがなくなっても、活動がすぐに止まることはないよね。

ひなた

卵を1つのかごに入れないってやつだ!

さとる

よく知ってるね。「卵を1つのかごに盛るな」ということわざと同じ考え方だよ。かごを落としても、全部割れないようにしておくんだ。

助成金は「スタートダッシュ」に使う

さとる

助成金や補助金が悪いわけじゃないよ。うまく使えば、活動を大きく前に進めてくれるんだ。

大事なのは、助成金が終わったあとのことを、もらう前から考えておくこと。

  • 助成金の期間中に、寄付をしてくれる人を増やしておく
  • 助成金で買った机や道具は、終わったあとも使い続けられる
  • 助成金がなくても回る規模を、あらかじめ考えておく
さとる

助成金は「ずっと続くお金」じゃなくて、「活動を育てるためのスタートダッシュのお金」と考えるといいよ。

地域の中でお金がめぐる

さとる

最後にもうひとつ。いちばん続きやすいのは、地域の中で応援のお金がめぐる形なんだ。

  • 自習会に来ている子の家族が、少しずつ寄付をしてくれる
  • 近所のパン屋さんが、売れ残りのパンを届けてくれる
  • 自習会を卒業した子が、大人になってから寄付をしてくれる
ひなた

地域のみんなで支えてるって感じがするね。

さとる

そうなんだ。地域の人が「自分たちの活動」だと思ってくれると、お金だけじゃなく、人も、信頼も集まってくる。それが次の柱「信頼」の話につながっていくよ。

ポイント

  • 助成金、委託、大口の寄付など、ひとつのお金にたよりきると、それがなくなったときに活動が止まってしまう
  • 委託だけにたよると、頼まれた仕事が中心になり、ミッションからずれることがある
  • お金の入り口をいくつかに分けておくと、ひとつがなくなっても活動は止まらない
  • 助成金は「スタートダッシュのお金」と考え、終わったあとのことを先に考えておく
  • 地域の中で応援のお金がめぐる形が、いちばん続きやすい