成果を伝える
このページでわかること
- 成果には「やったこと(回数や人数)」と「変わったこと(人や地域の変化)」があり、大事なのは「変わったこと」
- 来た人の声を集めたり、始める前と後で比べたりして、変化をとらえる
- 成果は数字と物語の両方で伝える。物語は本人の許可をとり、誰かわからないようにする
- 成果を伝えることは、応援する人、新しい仲間、活動するメンバー自身の力になる
このページでは、活動の「成果」をどうやって伝えるかを説明するよ。5章の最後のページだよ。
成果ってなに?
成果って、何人来たかってこと?
それも成果のひとつだね。でも、まちづくりの活動では、人数だけでは伝わらないことがたくさんあるんだ。
成果には、2つの種類があるよ。
| 種類 | どういうこと? | 自習会の例 |
|---|---|---|
| やったこと | 活動の回数や、来た人の数など | 1年で12回開いて、のべ150人が来た |
| 変わったこと | 活動によって、人や地域がどう変わったか | 放課後にひとりで過ごしていた子が、友だちと過ごすようになった |
1つ目の「やったこと」は数えやすいよね。でも、本当に大事なのは2つ目の「変わったこと」なんだ。
自習会のミッションは「中高生が、放課後に安心して過ごせる場所をつくる」だったよね。150人来たとしても、来た子たちが安心して過ごせていなかったら、ミッションは達成できていないことになる。
でも、「安心して過ごせた」って、どうやって確かめるの?
「変わったこと」をとらえる方法
いくつか方法があるよ。
声を集める
いちばん簡単なのは、来てくれた人の声を聞くことだよ。
- 終わったあとに、ひとこと感想を書いてもらう
- 「ここに来て、何か変わったことある?」と聞いてみる
- 家族から聞いた話もメモしておく
たとえば、こんな声が集まったとするね。
「家だと一人でスマホばかり見ていたけど、ここだと勉強が進む」 「学校では話したことがなかった子と、友だちになれた」 「ここがあるから、学校がしんどい日も、放課後が楽しみ」
それ、すごくうれしい……!
前と後を比べる
始める前と、しばらくたったあとで、同じ質問をして比べる方法もあるよ。
たとえば「放課後に安心して過ごせる場所がある?」と、最初に聞いたときは「ない」と答えた子が10人中8人だったのが、1年後には3人に減った、とわかれば、変化が数字で伝えられるよね。
数字と物語の両方で伝える
成果を伝えるときは、数字と物語の両方を使うのがコツなんだ。
- 数字:「1年で12回、のべ150人が参加しました」
- 物語:「中学2年のAさんは、最初は一人で隅に座っていましたが、半年後には新しく来た子に声をかけるようになりました」
どうして両方なの?
数字だけだと、何が起きているのか想像しにくい。物語だけだと、たまたまその人だけだったのかもしれない、と思われてしまう。両方があると、「こんなことが、これだけの人に起きている」と伝わるんだよ。
ひとつ注意。物語を伝えるときは、本人の許可をもらうこと、名前や学校がわからないようにすることを忘れないでね。活動を信頼してくれている人を傷つけてしまったら、元も子もないからね。
成果を伝えると、何がいいの?
成果がうまく伝わると、こんないいことがあるよ。
- 応援してくれた人が「応援してよかった」と思える
- 新しい仲間や、寄付や、助成金が集まりやすくなる
- 活動しているメンバー自身が「やってよかった」と元気になれる
- 自分たちのやり方が合っているか、ふり返ることができる
3つ目は、前の「燃え尽きを防ぐ」の話ともつながっているね。手ごたえを感じられることは、続けるための大きな力になるんだ。
5章のまとめ
これで5章はおしまい。活動を続けるための4つの柱をふり返ろう。
| 柱 | 大事なこと |
|---|---|
| 目的 | ミッションを言葉にして、目的と手段が入れ替わっていないか、定期的にふり返る |
| 人 | 一人にたよりきらず、仕事を見える化して分け合い、無理をしすぎない |
| お金 | お金の入り口を分けて、ひとつにたよりきらない。お金がかからない工夫もする |
| 信頼 | 活動の大きさに合った組織の形を選び、お金と活動をきちんと説明し、成果を伝える |
自習会も、この4つを意識したら長く続けられそう!
そうだね。でも、活動は自分たちだけで続けるものじゃない。地域にはいろんな人や団体がいて、その人たちとどう付き合うかも大事なんだ。
それが次の6章「まちの中でどう関わり合う?」のテーマだよ。
ポイント
- 成果には「やったこと(回数や人数)」と「変わったこと(人や地域の変化)」があり、大事なのは「変わったこと」
- 来た人の声を集めたり、始める前と後で比べたりして、変化をとらえる
- 成果は数字と物語の両方で伝える。物語は本人の許可をとり、誰かわからないようにする
- 成果を伝えることは、応援する人、新しい仲間、活動するメンバー自身の力になる