わかりやすいまちづくり入門

2章 まちづくりに関わる人たち

中間支援組織

このページでわかること

  • 中間支援組織は、地域がこれからも続いていけるように、活動する人たちの間に立っていろいろなことをする組織
  • 活動が続くための「目的・人・お金・信頼」のすべてを支え、足りないところを補う
  • 1つの団体だけでなく地域全体を見わたし、すき間や弱っているところに先回りして手を打つ
  • めざすのは、地域の人が自分たちで活動を回していける状態。「手を貸しながら、少しずつ手を離す」
ひなた

このページでは「中間支援組織」について説明するよ。

中間支援組織とは?

ひなた

「中間」支援ってなに? 何と何の中間なの?

さとる

ざっくり言うと、地域がこれからも続いていけるように、活動する人たちの間に立って、いろいろなことをする組織だよ。

「中間」というのは、たとえばこんな間に立つという意味なんだ。

  • 活動したい人と、その活動を応援したい人の間
  • NPOと行政の間
  • NPOと企業の間
  • 地域の困りごとと、それを解決できそうな人の間
ひなた

自分で子ども食堂をやったりはしないの?

さとる

直接の活動は、自治会やNPOがすることが多いね。中間支援組織は、そういう活動が生まれて、育って、続いていくための環境を整えるのが仕事なんだ。

さとる

畑にたとえるとわかりやすいかな。

自治会やNPOの活動が、畑に育つ「作物」だとするね。中間支援組織は、作物そのものを育てるというより、土を耕したり、水路を引いたり、肥料をまいたりする人なんだ。

土が良ければ、新しい芽が出やすいし、一度育った作物も長く元気でいられる。そういう「地域の土」をつくるのが中間支援の仕事だよ。

どこにあるの?

ひなた

わたしの町にもあるの?

さとる

多くの市には、市民活動センター、NPOセンター、ボランティアセンターなどの名前で、そういう場所があるよ。

市役所が建物を用意して、運営は地域のNPOが担当している、という形も多いんだ。社協のボランティアセンターも、中間支援の役目を果たしているよ。

「続く地域」をつくるための仕事

ひなた

具体的には、どんなことをしているの?

さとる

このサイトでは、活動が続くために必要なものを「目的・人・お金・信頼」の4つに整理しているよね。中間支援組織は、その4つすべてを支えているんだ。

続くために必要なもの中間支援組織がすること
目的「何のために活動するのか」を言葉にするのを手伝う。活動を始めたい人の相談に乗る
人ボランティアをしたい人と団体をつなぐ。担い手を育てる講座をひらく。次の世代への引き継ぎを手伝う
お金使える助成金を紹介する。申請書の書き方を教える。地域の寄付を集めて、地域の活動に配る仕組みをつくる
信頼会計や報告のやり方を教える。活動の成果を見える形にするのを手伝う。地域の活動を外に発信する
ひなた

全部やってるんだ!

さとる

そうなんだ。どれか1つが欠けても活動は止まってしまうから、足りないところを見つけて補うのが中間支援の役目なんだよ。

このあと5章で4つの柱を1つずつ詳しく見ていくけど、そのときも「ここで中間支援が力になれるんだな」と思い出してみてね。

地域全体を見わたす

さとる

もうひとつ大事なのは、中間支援組織が1つの団体だけじゃなく、地域全体を見ていることなんだ。

ひなた

地域全体を見るって、どういうこと?

さとる

たとえば、相談に来るいろんな団体の話を聞いていると、こんなことが見えてくるんだ。

  • 子育ての活動は多いけど、中高生の居場所はほとんどない
  • 見守り活動をしている人たちが、みんな70代以上になっている
  • どの団体も「会計がわからない」と困っている
さとる

1つの団体の中にいるとわからない、地域全体の「すき間」や「弱っているところ」が見えてくるんだ。

そうしたら、すき間を埋める新しい活動が生まれるように呼びかけたり、若い担い手を集める企画を立てたり、会計の講座をひらいたりする。地域全体として活動が続いていけるように、先回りして動くんだよ。

ひなた

お医者さんの「健康診断」みたいだね。

さとる

いいたとえだね。地域の健康状態を見て、弱っているところを早めに手当てする感じだね。

つなぐことの難しさ

さとる

中間支援の仕事の中でも、とくに大事で難しいのが「つなぐ」ことなんだ。

ひなた

紹介するだけなら簡単そうだけど?

さとる

紹介するだけならね。でも、紹介しただけでは本当にはつながらないことが多いんだ。

だから中間支援組織は、それぞれの人が何に困っていて、何を大事にしていて、何ができるのかをよく聞いて、「この人とこの人なら一緒にやれそう」と見きわめてから引き合わせる。そして、つながったあとも、うまくいっているか気にかけ続けるんだ。

めざすのは「自分たちで回せる地域」

ひなた

中間支援組織がずっと手伝い続けるの?

さとる

そこが大事なところで、中間支援がめざしているのは、地域の人たちが自分たちで活動を回していける状態なんだ。

なんでも中間支援組織がやってあげると、その組織がなくなったとたん、地域の活動も止まってしまうよね。それでは「続く地域」にならない。

さとる

だから、答えを全部教えるんじゃなくて、自分たちで考えられるように手伝う。お金を配るだけじゃなくて、自分たちでお金を集められる力をつけてもらう。

手を貸しながら、少しずつ手を離していく。それが中間支援の仕事の根っこにある考え方なんだよ。

中間支援組織が困っていること

さとる

中間支援組織にも課題があるよ。

土を耕す仕事は、作物とちがって成果が目に見えにくい。だから、「何をしているのかわからない」と言われたり、自分たちの活動のためのお金が集まりにくかったりするんだ。

活動の成果をどう伝えるかは、5章の「成果を伝える」でも考えるね。

ポイント

  • 中間支援組織は、地域がこれからも続いていけるように、活動する人たちの間に立っていろいろなことをする組織
  • 活動が続くための「目的・人・お金・信頼」のすべてを支え、足りないところを補う
  • 1つの団体だけでなく地域全体を見わたし、すき間や弱っているところに先回りして手を打つ
  • めざすのは、地域の人が自分たちで活動を回していける状態。「手を貸しながら、少しずつ手を離す」