企業だけではできないこと
このページでわかること
- 企業は、もうけを出さないと続けられないため、「もうからない」「払えない人がいる」「人数が少ない」「時間がかかる」困りごとには手が届きにくい
- それでも企業は、寄付、ボランティア、ソーシャルビジネスなどでまちづくりの大事な仲間になる
- 行政と企業の手が届きにくいところで、市民活動が力を発揮する。ただし続けるのが難しいという弱みもある
このページでは、企業だけではできないことについて説明するよ。
企業は何のために動く?
企業は、商品やサービスを売ってるよね。困ってる人がいたら、それを売ればいいんじゃないの?
企業は、お客さんが欲しいものを届けて、その代わりにお金をもらうことで成り立っているよね。この仕組みはすごく便利で、たくさんの人の暮らしを支えているんだ。
でも、企業はもうけを出さないと続けられない。だから、どうしても手が届きにくいことがあるんだよ。
理由1 もうからない
いちばん大きな理由は、必要だけど、もうからないことだよ。
たとえば、お年寄りが多くて人口が少ない地域のバス路線。乗る人が少ないと、運賃だけではバスの燃料代や運転手さんの給料がまかなえない。そうすると、バス会社はその路線をやめざるをえなくなるんだ。
でも、そのバスがないと困る人がいるよね。
そうなんだ。企業にとっては「赤字の路線」でも、そこに住む人にとっては「病院や買い物に行くための大事な足」なんだよね。
理由2 お金を払えない人がいる
2つ目は、本当に困っている人ほど、お金を払えないことがあるということだよ。
前のページの、ひとりでご飯を食べる子を思い出してみて。その子がお弁当を買うお金を持っていなかったら、お店は売ることができないよね。
お店がタダであげたら?
1回や2回ならできるかもしれない。でも、毎日タダであげていたら、お店はつぶれてしまうよね。企業の仕組みだけでは、お金を払えない人の困りごとは解決しにくいんだ。
理由3 人数が少ない
3つ目は、困っている人の数が少ないことだよ。
企業は、たくさんの人に売れるもののほうがもうかる。だから、少ない人しか必要としないものは、商品になりにくいんだ。
- めずらしい病気の子どもと家族の支援
- 外国から来たばかりの人の生活のサポート
- 人がほとんど住んでいない地域への配達
理由4 効果が出るまで時間がかかる
4つ目は、効果が出るまで何年もかかることだよ。
子どもの学習支援や、地域のつながりづくりは、成果が目に見えるまでに10年、20年かかることもある。すぐにお金にならないことは、企業は続けにくいんだ。
企業ができることもある
じゃあ、企業はまちづくりにはあんまり役に立たないの?
そんなことないよ。2章で話したように、企業もいろんな形でまちづくりに関わっているよね。
- 寄付や協賛で、市民活動を支える
- 社員がボランティアとして参加する
- 本業を工夫して、地域の困りごとを解決する(ソーシャルビジネス)
「企業だけでは」できないことがある、というだけで、企業も大事な仲間なんだ。
ここでも市民活動の出番
企業に手が届きにくいところでも、市民活動が力を発揮するよ。
| 企業の苦手 | 市民活動ができること |
|---|---|
| もうからない | ボランティアや寄付の力で続ける |
| 払えない人がいる | 無料や安い値段で届ける |
| 人数が少ない | 少数の人の困りごとにも寄りそう |
| 時間がかかる | もうけより「必要だから」で続ける |
たとえば、バスがなくなった地域では、住民が自分たちで車を出して、お年寄りを病院や買い物に送り迎えする活動が生まれているよ。行政がお金を出して、住民が運営する「地域のバス」を走らせている町もあるんだ。
公・共・私が、ここでも助け合ってるんだね。
ここまでのまとめ
3章のここまでの話をまとめると、こうなるよ。
- 公益(みんなのため)は、行政だけのものじゃない
- 行政には「公平・手続き・前例・見えにくさ」、企業には「もうけ・払えない人・少ない人数・時間」という、仕組みの上で手が届きにくいところがある
- その手が届きにくいところで、市民活動が力を発揮する
でも、ボランティアや寄付だけで、ずっと続けられるのかな?
まさにそこが、このサイトでいちばん考えたいところなんだ。市民活動には強みがあるけど、続けるのが難しいという弱みもある。
それは5章でじっくり考えるとして、次のページでは、日本で市民活動がどうやって広がってきたのか、その歴史を見てみよう。
ポイント
- 企業は、もうけを出さないと続けられないため、「もうからない」「払えない人がいる」「人数が少ない」「時間がかかる」困りごとには手が届きにくい
- それでも企業は、寄付、ボランティア、ソーシャルビジネスなどでまちづくりの大事な仲間になる
- 行政と企業の手が届きにくいところで、市民活動が力を発揮する。ただし続けるのが難しいという弱みもある