わかりやすいまちづくり入門

5章 活動はどうすれば続く?

目的と手段が入れ替わる問題

このページでわかること

  • 目的は「何のためにやるのか」、手段は「そのために何をするのか」
  • 活動を続けていると「続けること」「数を増やすこと」「お金をもらうこと」が目的にすり替わることがある
  • 「誰のため?」「本当に喜んでいる?」「ミッションに合っている?」「ゼロから始めても同じやり方?」とふり返る
  • 目的を守るために、手段は変えていい
ひなた

このページでは「目的と手段が入れ替わる問題」について説明するよ。

目的と手段の違い

ひなた

目的と手段って、どう違うの?

さとる

目的は「何のためにやるのか」、手段は「そのために何をするのか」だよ。

自習会でいうと、こうなるね。

  • 目的:中高生が、放課後に安心して過ごせるようにする
  • 手段:月1回、公民館で自習会を開く
ひなた

それが入れ替わるって、どういうこと?

さとる

いつの間にか、手段のほうが目的みたいになってしまうことだよ。活動を続けていると、実はよく起きるんだ。

よくある「入れ替わり」

さとる

たとえば、こんなパターンがあるよ。

1. 続けることが目的になる

さとる

「毎年やってきたお祭りだから、今年もやらないと」

本当は、地域の人がつながるためのお祭りだったはずなのに、いつの間にか「続けること」そのものが目的になってしまう。準備する人は年々減って、へとへとになりながら、それでもやめられない……ということが起きるんだ。

2. 数を増やすことが目的になる

さとる

「先月は20人来たから、今月は30人をめざそう!」

参加者が増えるのはうれしいことだよね。でも、人数を増やすことが目的になると、本当に来てほしい人のことを忘れてしまうことがあるんだ。

ひなた

どういうこと?

さとる

自習会でいうと、たくさん人を集めるために、にぎやかなイベントばかりやったとするね。人は増えるかもしれない。でも、静かな場所でほっとしたかった子や、人が多いところが苦手な子は、来にくくなってしまうかもしれないよね。

ひなた

「安心して過ごせる場所」じゃなくなっちゃうんだ……。

3. お金をもらうことが目的になる

さとる

「この助成金をもらうために、こういう活動をしよう」

お金は活動のために必要なものだけど、お金をもらうために活動の中身を変えてしまうと、本来のミッションからずれてしまうことがあるんだ。お金の話は、このあとのページでも詳しく考えるね。

入れ替わりに気づくには

ひなた

どうすれば気づけるの?

さとる

定期的に、みんなでふり返ることが大事だよ。そのとき、こんな質問をしてみるといいんだ。

  1. この活動は、誰のためにやっているんだっけ?
  2. その人たちは、本当に喜んでいるかな?
  3. 今やっていることは、ミッションに合っているかな?
  4. もし今日ゼロから始めるとしたら、同じやり方を選ぶかな?
さとる

特に4つ目の質問は効くよ。「昔からこうだから」で続けていることが、本当に今も一番いいやり方なのか、見直すきっかけになるんだ。

ひなた

前のページのミッションが、ここで「ものさし」になるんだね。

さとる

その通り。ミッションがあるから、ずれていることに気づけるんだよ。

変えることを怖がらない

さとる

ふり返って「ずれてるかも」と気づいたら、やり方を変えていいんだ。

  • 毎年のお祭りを、準備が楽な小さな形にする
  • 人数よりも、来た人が「また来たい」と思えるかを大事にする
  • ミッションに合わないお金は、もらわない選択をする

目的を守るために、手段を変える。これが、長く続く活動のコツなんだ。

ポイント

  • 目的は「何のためにやるのか」、手段は「そのために何をするのか」
  • 活動を続けていると「続けること」「数を増やすこと」「お金をもらうこと」が目的にすり替わることがある
  • 「誰のため?」「本当に喜んでいる?」「ミッションに合っている?」「ゼロから始めても同じやり方?」とふり返る
  • 目的を守るために、手段は変えていい